数少ない旧内務省の設計の社務所改修
岡本棟梁の時代より大変お世話になっている広島県廿日市市にある速谷神社様。本殿の再建を1988年、社務所の新築を1998年にご用命いただき、今回は旧社務所(現:斎館)の改修工事を承りました。もうあまり残っていない旧内務省の設計とのことで、内部造作材は和栂の柾材が丁寧に使われています。特に大きな変更は、カウンターのあった札所が神楽殿に生まれ変わったことです。竣工祭では出雲から神楽が奉納され、建物に華を添えていただきました。京都の仁和寺宸殿で使われている六葉金物が同じだったことは、驚きでした。
有馬棟梁コメント
岡本棟梁に弟子入りして2件目の墨付けをさせていただいたのが、1998年の速谷神社社務所でした。あれからみんなで匠弘堂を起こし、三度お仕事の機会を賜り大変光栄です。岡本棟梁の仕事が、皆さんから大きな信頼をいただいている証だと思います。だからこそ、この由緒ある斎館の改修工事では力が入りました。注目は何と言っても神楽殿です。苦労した雨戸は引き回し式で、三方閉まるようになります。