師匠の多宝塔を偲ぶ新拝所
平安時代からの湯治場としても由緒ある、四国八十八ケ所第六番札所安楽寺様。匠弘堂起業前の平成5年に、師匠岡本棟梁の手で多宝塔に携わらせていただきました。縁とは摩訶不思議なもので、再び匠弘堂のもとに本堂を拝する拝所新築のご依頼をいただくことに。ご住職様のご希望は、法隆寺の回廊を模したものに御大師様の一代記の彫刻欄間をはめ込むこと。吉野檜の柱はエンタシスを再現し、瓦屋根の東西には鳳凰がとまり、華やかな建物となっています。
有馬棟梁コメント
お話があった時は、師匠がお世話になったあの安楽寺さんとはわかりませんでした。師匠はまだお元気だったので、現場にも来ていただき指導していただいたことが懐かしいです。法隆寺の回廊がベースであることと吉野檜の材料集めで、何度も奈良に足を運びました。彫刻欄間の納まりや鳳凰の取付方法など、設計の先生には大変お世話になりました。