- 2012年
- 高校卒業後、地元の工務店に就職
- 2016年
- 匠弘堂入社。宮大工修業スタート
義久 雄介
匠弘堂の中でも一、二を争うほど“大工道具好き”の義久。大切にしている大工道具の話を中心に、将来どんな宮大工になりたいかについても、語ってくれました。
住宅工務店を経て、匠弘堂へ
はじめまして、義久 雄介です! 大阪府堺市出身の25歳です。
僕が「宮大工」という仕事に興味を持ち始めたのは高校生のとき。趣味で関西のお寺巡りをしているうちに、自分もお寺や神社を支える仕事ができたらいいなと思うようになりました。
とはいえ経験もなかったので、高校卒業後は経験を積むために住宅の工務店に就職。大工見習いとして3年間修行したあとに、「やっぱり宮大工になりたい」という思いで、匠弘堂の門を叩きました。
こだわりの大工道具たち
憧れの宮大工の世界。匠弘堂に入社してまず新鮮だったのは、「大工道具」の存在でした。
以前の工務店ではほぼすべての作業で機械を使用していたので、玄能(金づち)やカンナといった切れ味の鋭い手道具を扱うのは初めて。大工として3年間の経験があったとは言え、緊張したし、ゼロから学び直しという感じがしました。
でも、大工道具を本格的に扱うようになると、あっという間に愛着が湧いて、道具が大好きになっていきました。最近では、社長や周りの宮大工からも、「義久は本当に道具好きだよなあ」と言われるほどです(笑)。せっかくの機会なので、今回は僕が持っている大工道具を少し紹介させてください!
まず、入社したときに初めて自分で買った思い出の大工道具が、この玄能(金づち)。人に持たせるとよく「重い!」と言われるんですが、これは玄能の中でもかなり軽いほうで使いやすく、愛用しています。
少し変わった道具だと、このカンナ。昔、鉄橋を支えていた鉄骨柱に鋼(はがね)をつけて再加工したものだそうで、当時の鉄橋のボルトの穴がそのまま残っていたりして、面白いんです。
それから、ノミなどの刃物類は、江戸時代から続く鍛冶職人の5代目、宮脇正孝さんという方が作った「正繁」を使っています。比較的手頃な値段で買えることと、鋼の「巻き」がとても綺麗なところに職人の仕事ぶりを感じて大好きだったのですが、残念ながら作り手の宮脇さんが昨年亡くなられてしまいました。もう買えないこともあり、これからも大切に使っていこうと思っています。
当然ですが、大工道具はずっと使っていると傷ついたり錆びたりしてしまうもの。休みの日には、刃物を研いだり小口を磨いたりと、道具の手入れをするのも好きです。切れ味のいい大工道具を使いながら仕事をしていると、匠弘堂に入社したばかりの頃の新鮮な気持ちをいまでも思い出します。
しっかり準備して 一日の仕事に備える
大工道具の手入れを念入りにするのは、自分が好きだからというのももちろんですが、初代の岡本棟梁の言葉を実践しているというのもあります。その言葉というのが、「しっかり準備して 一日の仕事に備える」。
僕が匠弘堂に入社したとき、岡本棟梁はすでに他界されていたのですが、匠弘堂の先輩大工たちはみんなこの言葉を大事にしている、と教えてもらいました。
しっかり手入れした道具を触ると、やっぱり背筋が伸びる気がします。
宮大工4年目に突入。頼れる大工を目指して
少し前に、とある神社の鳥居解体の仕事がありました。期間が短いこともあっていつもよりもピリッとした現場だったのですが、その緊張感が気持ちよくもあり、匠弘堂のチームワークのよさを改めて実感する機会になりました。
匠弘堂に入社して4年目になります。匠弘堂には高校を卒業したばかりの10代の新卒も入ってくるので、最近は、先輩として後輩に仕事を教えることも少しずつ増えてきました。やっぱり自分の得意分野なので、刃物の研ぎ方などの道具の手入れについては、特に丁寧に教えるようにしています。
「この人に任せたらいい仕事をしてくれる」と思ってもらえるような、頼れる大工を目指してこれからも頑張りたいと思います!
今後の意気込み
しっかり準備して一日の仕事に備える