筑波大学附属駒場高校の生徒さん6名様が関西地域研究の取材で匠弘堂におこしになりました!
今回で3度目のご来社です。
研究テーマは「寺社の建築様式及びその構造」とのこと・・・
建築そのものだけではなく、その作り手である宮大工にも着目した調査をしたいと匠弘堂を訪ねてくれました。
宮大工とはどのような仕事なのかを知ってもらうため、例のごとく講義からスタート!
講義では継手(つぎて)の模型を実際に分解したり、組み立てたりして、大工の技術力を感じてもらいました。
これらの継手は今の大工が考え出したものではありません。
何百年も前の人が生み出し、確立してきたものです。
その技を受け継いでいくのが私たち宮大工の仕事です。
ということで、宮大工の技を少し体験してもらいます。
皆さん、宮大工の削った鉋クズを手に取り、その薄さに驚いています。
でも大事なのは鉋クズではなく、削った木材の表面がどうなっているかなんです。
「やばいっ!」
率直な感想をありがとうございます。
そうです。上手に鉋をかけた木の表面はとてもスベスベです。
ただ、鉋を使いこなすのはそう簡単なことではないのだと、皆さんには身をもって感じてもらいました。
さて、最後に生徒さんから事前にいただいた質問にお答えする時間をもうけました。
「『品質力』『人間力』『技術力』をそれぞれ磨くためにしていることは何ですか?」
品質力、人間力、技術力とは匠弘堂の経営理念です。
匠弘堂の使命は、「日本文化の伝承と発展に貢献する」こと。
そのためには伝統の技を実践できる技術力が必要です。
その上で私たちの目指す高い品質が成り立つわけですが、やはりひとりの人間として地に足がついていなければ品質も何もありません。
これらの3本柱が全て噛み合って初めて宮大工として確かな仕事ができます。
まずは人間力。
人間力を磨くためには日々の行いが大切です。
これからも誠実に日々の仕事をこなしていきたいと改めて感じた時間でした。
生徒の皆さんはどんな思いを抱いてくれたでしょうか。
少しでも研究の手助けができていれば幸いです。
ありがとうございました!
書き手:松本(匠弘堂・設計士)