台風被害からの修理復興工事
国宝の石水院、宝物の鳥獣人物戯画等を所蔵される高山寺様。そして室町時代後期に京都の仁和寺にて建立され、江戸寛永期に高山寺に移築された金堂の修理をさせていただきました。2018年秋に関西地方を襲った大型台風による境内林の大規模な倒木等で、棟木・小屋梁・向拝桁の折損、枓栱や蟇股の割損、建物全体も衝撃で後方に傾いてしまったのです。元文化財技師の先生の指導の下、匠弘堂・宮大工による半解体修理と建ち起こしを施すことで、美しい姿を取り戻すことができました。
小滝副棟梁コメント
高山寺は京都市内から北西方向の右京区梅ヶ畑栂尾町にあります。車を降り、時には山道を材料を担ぎながら修理現場まで登るのが大変でしたが、匠弘堂の若いメンバーが気合で頑張ってくれました。解体を進めていくと、想定以上に損傷が激しく、倒木の破壊力には驚かされました。損壊前の清楚で端麗なたたずまいが戻って良かったです。