匠弘堂の実績

works

Works pickup #05

西安寺
本堂・書院・山門 新築工事

( 2012.5月 / 兵庫県西宮市 )

鉄骨造と木造による「ハイブリッド構造」の本堂・書院、そして木造の山門。2011年4月の起工から約20ケ月の歳月をかけた新築工事でした。
構造形式の複雑さから納まりに苦労した箇所がかなりありましたが、岡本棟梁から受け継いだ技術力を駆使して、外観からは木造にしか見えない立派なご本堂をご提供できたと自負いたします。また見習いの大工や設計スタッフにとっては貴重な学びの場になったと思います。そして、なんと言ってもご住職をはじめ、檀信徒の方々の熱い思いとご協力があってこその完成だと思っています。私たち匠弘堂は、皆様方のお役に立てて本当に幸せです。

完成から1年半が経ったある日、ご住職ご夫妻を訪ねてみました。施工中は大変ご協力いただき、その様子をブログで紹介していただくなど、常にワクワクされていたお二人。本堂・書院の使い勝手はいかがでしょうか?また、山門の具合はいかがでしょうか。

Q.) 施工中は毎日どんな気分でしたか? 楽しんでおられるようにお見受けしてましたが。

施工中はとにかく楽しい、ワクワクの毎日でした。「今日は何をしはるんうやろう、あの材料は何やろう」って。まだ骨組みだけだった時は、何ができるの?キリンの檻?なんて言ってたりして(笑)。それがこんなに立派な本堂になったんですもん、本当に大工さんというのは凄いなぁとつくづく思いました。


鉄骨フレームの組上がり

化粧材の取付

高い足場の上に上がったのもよい思い出となりました。また、屋根の反りがとってもキレイでこの建物を象徴している部分だと思います。特に後ろからの角度が大好きで、とってもセクシーだと思います(奥様:談)
それに、大工さんの道具をたくさん見ることができて本当に楽しかった。細かいものから大きなものまで、いろいろと見せていただきました。


大屋根の破風加工

上棟式(屋根下地完了)

瓦葺き上がり

瓦が葺き上がった後ろ姿

本堂大屋根の木連格子

Q.) 本堂が新しくなって1年半が経ちましたが、使い勝手やみなさんの反応などがあれば教えてください。

うちの本堂は、阪神淡路大震災の時に倒壊しました。それまでここにあった本堂は、戦争で焼けてしまった後に「総檜」で建てられたものでした。落ち着いた、趣のある本堂でした。それが今度は震災で倒壊。それから17年間、本当に長い間仮設の本堂のままで檀家さんには本当に辛抱していただきました。

再建してからは、法事でも使ってもらうことが多くなりました。「立派な本堂になった」と、みなさんには本当に喜んでもらっています。また、通りすがりの方が「本堂を見せてもらえますか?」と入ってこられたり、お墓の問い合わせの電話がかかってくることも何度かありました。


本堂正面

Q.) 西安寺さんが目指すお寺像というのはありますか?

本来、お寺というのは、地域のみなさんのより所というか、何かあったときに「お寺さんに相談してみよう」とかお寺で集会を開いたり、子どもが遊びに来たり・・・人が集まる場所だったんです。それが、徐々に地域の繋がり、結びつきが弱くなり、淋しいお寺が増えてきました。そんな現代に、この本堂ができたことで人がまた集まってくるのではないか、ワイワイと楽しい空間になるのではないか、そんな期待を寄せているところです。 それもこれも、匠弘堂さんが本当に立派なものを建てて下さったお陰だと思っています。


夕方の境内から(奥に山門が見えます)

ご本尊が祀られる前の本堂内部

ご住職がプロの声楽家でもある西安寺さんでは、本堂にて音楽会を開いておられます。お経を唱えておられる時の声の跳ね返りや、残響がとても美しいことに気づいたご住職ご夫妻は、本堂にピアノを置いて弾いてみると、とても柔らかい美しい音色が響いたとか。いろいろなイベントや会に使っていけたらとお二人は考えられています。


西安寺ご住職様

二代目棟梁 有馬のコメント
〜西安寺本堂新築工事を終えて〜

「鉄骨造を木造に見せる」このような構造形式は阪神淡路大震災後多くなり、私自身も大小含め5棟目となりました。
このようなハイブリッド構造形式の難しさは、表面に見える木材部分ではなく、むしろ内部の基本構造を成す鉄骨部分にあります。
寺院建築では、軒先の反り上がりと瓦の流れ方向のタルミとの2方向の曲線が入り混じった三次元の屋根面を構成します。つまり、ハイブリッド構造では仕上り面から逆算した正しい位置に鉄骨軸組を構築しなければなりません。
鉄骨を組むまでには宮大工側にて原寸図を書き上げ、その中に鉄骨の図面を書き込むという二重の作業が発生するのですが、匠弘堂の設計部門・宮大工部門の双方が互いに知恵を出し合うことで、沢山の難題をクリアしてきました。
木の部材を取り付ける時もいつもとは真逆の順序で取り付けることになるので、ここでも今までの経験が生きました。
最終的にお客様から「木造にしか見えない」との賛辞をいただき、また落慶法要では感謝状まで拝受し、本当に心の底から完成した喜びと感謝の気持ちで一杯です。

お問い合わせ

contact